本格的なレーザー脱毛の術前処置と術後処置

筆者がクリニックの現場で習ったこと、経験したことを基に、本格的なレーザー脱毛における術前及び術後の処置について説明します。本格的な業務用脱毛レーザー機器と同様のシステムで動作する家庭用トリアレーザーをお使いになる方の参考になると思います。

家庭用トリアレーザーは最高出力は抑えられているものの、毛根の組織を破壊するだけのパワーが備わっておりますので、ここに記した内容をご覧いただき、お肌のケアは慎重に行ってください。

レーザー脱毛の術前処置

自然発毛

医療レーザー脱毛の施術を受けようとする患者は、2週間以上その部位の毛を自然に生やしておく必要があります。この間は決して脱毛クリームの使用、剃毛、毛抜きをしないよう、事前にお知らせしておいてください。

自己処理をされると、脱毛効果に特に大きな差が出るわけではありませんが、以下の問題が発生する可能性があります。

剃毛により表皮に傷が付きます。これはレーザー脱毛後に表皮に副作用を招くことがあります。

脱毛クリームで脱毛した場合、埋没毛を発生させることがあります。その状態でレーザー脱毛を行うと、痒み等の原因になります。

ワキ、ビキニラインの毛は方向が判りません。方向が分かれば皮下にて毛が寝る方向を見極め、その方向に少し押し込んで照射する事で、この機器の性能を最大に発揮させることが可能です。

自己処理をされてくる患者さんは多いのですが、自己処理では完全な剃毛がなさないことが多く、施術の前に再度剃毛をする必要があります。レーザー照射時に表皮に毛が少しでも出ていると、表皮上で燃えますので、痛みが増します。

観察

スキンタイプと皮膚の状況、毛の生えている方向を確認する。メザメーターMX16(色素計)等を用いる事をおすすめします。しかし、脱毛レーザー装置のパラメーターを決定する最大要因はスキンタイプ(ST)です。(フィッパトリック M.D.ph.D.皮膚6分類)

  • ST-1:白人
  • ST-2:日焼けをするといつも赤くなる=めったに黒くならない。
  • ST-3:日焼けをすると時々赤くなる=時々黒くなる。
  • ST-4:日焼けをするとめったに赤くならない=大抵黒くなる。
  • ST-5:日焼けをしても赤くならない=絶対に黒くなる。
  • ST-6:黒人

解説

適切なレーザー照射エネルギーの設定はテスト照射によって決定するべきです。スキンタイプは術後の副作用の危険度合を知るバロメーターになります。

剃毛

剃毛の際、表皮をうすく削らない様、ルブリカント等刺激の無いジェルを使います。 剃り残しがあると、照射されたレーザーが吸収され、表皮上で破壊されるため熱く感じます。

来院前に剃毛を指示されましても、十分に剃毛して来ない患者さんがいます。表皮上で破壊され熱く感じてしまいます。

しかし、表皮上で破壊された毛は、レーザー照射口のサファイアチップに付着し、そのまま長期間使用されるとサファイアチップを痛める事になります。施術中はガーゼなどで拭き取りながら照射して下さい。

前処置

レーザー照射部位の消毒にアルコール等、刺激性、揮発性のものを使用しないこと。

大腿部、背中等広範囲の照射を行う場合は、照射部位にルブリカント等のジェルを薄く塗付します。

ジェルを薄く塗付することで、スライディング照射が出来るためハンドピースの重量が気になりません。

レーザー脱毛の術後処置

レーザー照射翌日のひげの状態

レーザー照射部位の消毒にアルコール類、刺激性、揮発性のものは使用しない。

照射部位に残った焼けた毛(ポップアップした毛)はそのままにするか、清潔な濡れたガーゼで拭き取ってください。

術後の冷却はされなくても表皮の変化は変わりません。全体に熱を持っている感じであれば、軽く絞ったタオル等で冷却します。

感染の恐れがある場合、感染予防のクリームを処方されても良いですが、何も付けない場合もある様です。

施術当日は、熱い風呂、サウナは避けていただき、発赤、軽い浮腫が収まっていない場合はその期間、刺激しないようここごがけます。軽い痒みがあっても掻き過ぎますと化膿します。

照射部位が日光に晒される場合は、外出の際、必ずSPFの高い遮光クリームを使用し、過度の日射を避けます。

解説

術後の表皮反応はいずれも一過性です。しかし、スキンタイプにより様々な反応が考えられます。術後は軽く冷やし、通常、感染防止のクリームを3日分程処方します。

施術間隔

4〜8週間を2回目の施術の目安とします。

毛の成長期、休止期、退行期のサイクルから、1ヵ月以上空けることが学会等で指導されております。部位にもよりますが、3回〜5回の照射で再生毛は無くなります。これが永久脱毛かどうかは証明されておりません。

脱毛レーザー治療を行なう場合でも、通常のレーザー治療と同じく患者さ の体質や高い理解度が必要です。