ツボ刺激と鍼治療の違い
鍼治療で刺激するポイントの代表格と言えるのが、体のあちこちに存在する「ツボ」です。
ところで、ツボを刺激する方法と言えば、素人がツボの分布図などを見ながら自分の手でやる「ツボ刺激」もありますが、素人のツボ刺激と鍼治療では、どんな違いがあるのでしょうか?
■ 「押す」と「刺す」では大違い!
ツボ刺激と鍼治療の最大の違いは何かというと、「ツボを押すか刺すか」ですね。
ツボ刺激でできることは、ツボのある位置を、肌の外から押したりもんだりすることだけ。ですから、ツボそのものに直接刺激を与えることは、絶対にできません。
これに対して、鍼治療は、ツボそのものを直接刺して刺激することが可能ですから、素人のツボ刺激と比べると、ツボに対する刺激レベルが全然違うのです。当然のことながら、効果の高さについてもツボを直接刺して刺激する鍼治療の方が、圧倒的に有利ですよ。
■ ビックリ!そもそもツボは「押す」ものではない!?
というわけで、素人のツボ刺激と鍼治療とでは、「ツボを刺激することによって得られる効果のレベル」が全然違うと言えます。
というかそもそも、「ツボを押して刺激する」という素人のツボ刺激のやり方は、日本人独特のやり方と言えるのです。
どういうことかというと、中国医学において「このツボを刺激すればこういう効果が得られる」という、数千年以上にわたって伝えられてきた理論は、そのすべてが「ツボを刺したり(鍼治療)、焼いたり(焼いた鍼)温めたりする(お灸)ことによるもの」というのが大前提なんです。
この認識が日本よりはるかに広まっている中国では「ツボを押す程度では、本来の効果は得られない」と理解している人が多く、素人のツボ刺激に過剰な期待を持つ人も少ないです。
もちろん、中国において「素人がツボを押したりすることは全然ない」とは言いません。中国でも、素人が自分で鍼治療をするのは非常に危険がともなう、という点は日本と変わりませんから、「諸事情で鍼治療などに行けない状態なら、自分で外から押すしかない」という感じでツボ刺激をしている人も居るでしょう。
しかし、そうした素人のツボ刺激の際に参考にする「全身のツボ分布図」なども、あくまで鍼治療などのために作られたものであり、素人がやるツボ刺激のためのものではない、ということなんです。
簡単にまとめると
「素人が指でツボを押したりすることが悪いわけではないが、それは本来の効果を得られるようなものではない。
本来の効果を得るためには、鍼治療など、ただのツボ押しよりももっと踏み込んだ刺激が必要」ということですね。

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