鍼治療がさまざまな症状に効く理由

鍼治療を受ける女性

鍼治療は、さまざまな病気や不調などに対応できると言われており、そのオールマイティさは、薬の適応範囲の狭さとは対照的と言えます。

しかし、そもそもなぜ、鍼治療がそこまで幅広い症状に効くのでしょうか?その理由をご説明しましょう!

■ 実は「鍼治療が効く理由」には諸説ある!

さて、鍼治療が幅広い症状に効く理由をご説明しましょう、と偉そうに言いましたが、実はその理由は「確実にこの説に間違いない!」というものは存在しません。

なぜなら、鍼治療が効く理由として、いろんな説が存在しているからなんです。ここではそうした諸説の中でも、「研究・実験等で実際にその効果が証明されたことがある、信頼性の高いもの」をいくつかご紹介します。

■ 血管拡張説

鍼治療が効く理由の有力説のひとつとして挙げられるのが、血管拡張説です。

鍼を刺すことの刺激によって、鍼で傷ついた血管を修復するために血液が集まって血管が拡張し、血液の流れが良くなることで細胞への酸素や栄養の供給がスムーズに行き、血行不良によるあらゆる不調を緩和すると言われています。

鍼による血行改善を証明するものとして挙げられるのは、小田剛氏や今井賢治氏など複数の鍼灸師が2004年に医学雑誌で発表した「鍼刺激による筋血流量の変化」という論文が挙げられますね。

この論文では、鍼治療により筋肉内の血流が改善されて細胞活動が活発になったことが画像付きで証明されています。

■ 免疫力パワーアップ説

鍼治療が効く理由としては「鍼を刺した刺激で白血球が増加し、免疫力がパワーアップする」という説も有力です。

鍼治療によって白血球が増加するという現象を証明するものとして挙げられるのが、鍼灸師の影山儀之助氏が1936年に医学雑誌で発表した「施鍼ガ人血液ニ及ボス影響ニ就テ(鍼治療が人の血液に及ぼす影響について)」という論文です。

この論文の一部に、「3回連続で鍼をうったグループは白血球が最大で1.5〜2倍程度に増加し、その白血球数が元に戻るまで約7日間かかった」という趣旨の内容が盛り込まれています。

■ 結合組織をゆるめる説

もうひとつ、鍼治療が効く理由の説として有力なものとして「筋肉などの結合組織をゆるめる説」があります。

人の体には、筋肉や皮膚・内臓などの組織をつなぎ止めるための結合組織があるのですが、細胞の新陳代謝が上手くいかないなど、何らかの理由でこの結合組織が古いまま残ってしまうと、その結合部分が硬くなり、体のあらゆる流れに支障をきたしてしまい、不調や病気を招くと言われています。

鍼による刺激は、この硬くなった結合組織をゆるめてやわらかくする効果もあると言われているのです。東海大学の野口泰博氏による「鍼刺激が筋疲労に及ぼす影響」をはじめとした複数の論文で、「鍼治療の後は筋肉がやわらかくなった」という趣旨の結果が出されています。

■ 医学的に証明はされていないものの、有力な説とは?

というわけで、ここまで、実際に医学的な研究・実験などによって効果を証明されたことがある説をいくつか挙げてみましたが、医学的な証明は一切ないものの、鍼の効果が出る理由として、外せない有力な説がひとつあります。

それは「気の流れを良くする」説です。

気とは、「目には見えない、体内に流れるエネルギー」のこと。 たとえば「元気がある・ない」という言葉はよく使われますが、「元気」という存在そのものは、どんな医学機器を使っても見ることはできませんよね。気とはそういう存在なのです。

鍼治療のプロは、触った時の微妙な感触などで、この気の流れを読み取ることができると言われています。気が停滞しているな、というところに鍼をうって、流れを良くするわけですね。

それで実際に症状が改善している人が多い事実を考えると、「たとえ医学的な裏付けはなくとも、鍼治療には、気の流れを改善するという効果が本当にある」と考えていいのではないでしょうか。

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